5、実践編「語源で単語を覚えるには?」
それでは語源で単語を覚えるにはどんな教材を使えばいいんでしょうか?。
ステップ1
まず、それぞれの接尾辞・語幹の意味をある程度知っていないとそれをもとに単語を推測することも単語の意味を納得して覚えることもできませんので、まずは色々な接尾辞、語幹の意味を覚える、ということからはじめなければなりません。しかし、そうはいっても単語を丸暗記で覚えるのがほとんど不可能に近いように、接尾辞・語幹だって丸暗記で覚えることはとても効率が悪く、時間がかかるのです。それでは、無理なくある程度の接尾辞・語幹の知識を得るにはどうしたらいいのでしょうか?。
それには、青春出版社の「試験に出る英単語(森一郎)」という本がお薦めです。シケタン、でる単とも言われているこの本は大学入試用なので、収録されている単語を全部覚えたところで英検一級には受かりません。しかし、この本の優れたところはほとんどすべての単語が接尾辞・語幹に分解され、どうしてそのような意味になるのかが詳細に解説されているところです。
大学受験レベルの単語だから、みなさんがすでに知っている単語が結構多いと思います。ゆえに自分の知らない単語を一刻も早く覚えたい!、という方には既知の単語ばかりで一見効率が悪く思えるかもしれません。しかし、そのような本だからこそ、確かに新しい単語を覚えることには向いていませんが、既存の単語の知識を元にして色々な接尾辞・語幹の意味を覚える、という目的には非常に理想的なのです。
ステップ2
「試験に出る英単語(森一郎)」のような語源の解説が詳しい大学受験用の単語集を用いて接尾辞・語幹に関する知識をある程度習得したと感じたら、次には自分の知らない単語を語源を元に解説しているボキャビル本へとステップ・アップする番です。ステップ1で色々な接尾辞・語幹の知識を習得していれば習得しているほど、このステップ2で多くの単語を少ない労力で覚えられるでしょう。
このステップ2で役に立つ教材ですが、以下のようなものがあります。
TOEIC語源中心単語辞典
朝の通勤一時間で覚える語源別TOEICテスト英単語
語源で覚える英単語飛躍的増殖法 島岡丘、創拓社、2136円
語源でふえる英単語―こうして覚えればもう忘れない!
メモリー英語語源辞典 (編)中島節、3200円
英語語源辞典
Merriam-Webster's Vocabulary Builder
Merriam-Webster's Vocabulary Builder CD-ROM版
自分の覚えたい語彙の種類や難易度に応じて使いやすいものを選択して勉強してみるといいでしょう。ただ、目で見ただけでは覚えにくかったり、リスニングでその単語が出てきでも認識できなかったりすることがあるかもしれません。その点「Merrian-Webster's Vocabulary Builder」のように、CD-ROM版が出ているものがいいでしょう。
*「Merrian-Webster's Vocabulary Builder」のペーパー・バック版とCD-ROM版の詳細については、「役に立つものたち」のコーナーでも紹介していますので、そちらもどうぞ。
ステップ3
ステップ2である程度難度の高い語彙を習得することができたら、今度はステップ3に進みます。ステップ3では、辞書を使用します。
そこで、ステップ3では、難度の高いペーパー・バックなどに挑戦し、いかにも語源に分析できそうだという単語が出てきたら、片っ端から辞書で引いてみましょう。リーディング中に偶然出会った単語を、語源の知識を活用してきれいに意味が解明できたら、しめたものです。
その単語をノートに書きとめておくなり、ステップ2で使用した単語集に追記しておくなどして、自分なりの「語源で覚えられる英単語」のレパートリーを増やしてゆきましょう。
ステップ3では、語源の解説が豊富な辞書を使用する必要があります。小学館の「プログレッシブ英和中辞典」や研究社の「英和中辞典」などが、比較的手頃で、しかも語源に関する解説が充実しているようです。
* 「プログレッシブ英和中辞典」・「英和中辞典」についても、「役に立つものたち」をご覧ください。
以上の3つのステップをふめば無理なく語源の知識を元にした単語学習ができるはずです。みなさんがお薦めの方法や参考書がこの他にありましたら、ぜひお知らせください!。