英語を学ぶすべての人へ > 語源で覚える英単語 |
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3.語源で覚えることのメリット それでは、語源で単語を覚えるとどんないいことがあるんでしょうか?。Victoria University of WellingtonのI. S. P. Nationという人によればそれは"It
can be used to help the learning of unfamiliar words by relating these
words to known words or to known prefixes and suffixes, and it can be used as a
way of checking whether an unfamiliar word has been successfully guessed
from context."だということです。 上の言葉を判りやすく日本語にすれば、 (1)はじめて出会った単語でも語源から意味を類推することが出来る (2)一度覚えた単語は二度と忘れなくなる という風にまとめられるでしょう。そしてこれらのことを通して、英検2級〜1級・TOEIC・TOEFLに対応する語彙力を身につけることが出来る!のです。 それでは、上のメリット(1)(2)について実例と共に少し詳しく見てゆきます。 (1)はじめて出会った単語でも語源から意味を類推することが出来る
先ほどdejectという単語の意味が推測できたように、語源の知識を使えば簡単に未知語の意味を推測することが出来ます。たとえば、以下の文を見てください。 "Though the
advertisements promised the product was biodegradable, environmentalists
expressed their doubts." (訳)広告によるとその商品は( )ということだが、環境保護主義者はそれを疑っていた。 上の文中のbiodegradableとはどういう意味でしょうか?。こんな単語はもちろん中学校でも高校でも習いません。事実、上の例文はアメリカの高校生が受けるSATというテスト対策向けに編集された本に収録されているものなのです。SATとは、日本で言うセンター試験のようなものだと考えていいでしょう。つまり、biodegradableとはアメリカ人でさえ知らないような単語なのです。 それでも、この単語の意味はbiology、 deject、 gradation、ableという基本的な単語の意味さえ知っていれば意味を推測することが出来ます。なぜなら、biodegradableという単語はbiologyのbioと、dejectのdeとgradationのgradとableの意味をすべて足し算した結果だからです。以下に検討してみましょう。 biologyは生物学という意味です。-logyというのは接尾語ですが、zoo(動物園)についてzoologyだと「動物学」に、cosmetic(化粧品)についてcosmetologyとなると「美容学」という意味になります。ゆえに、bioの意味は「生物学」から「学」をひいたものなのですから、bio=「生物」という意味だと推測ができるでしょう。現に、bioengineering(生医学工学)、biochemistry(生化学)、bioethics(生物倫理学)、biotechnology(生物工学)などの生物に関係のある単語にはすべてbioという接頭語が含まれています。まず、biodegradable=「生物」+de+grad+ableだと判りました。 次にdeですが、このdeは先ほどのdejectのdeと同じです。dejectは「下にde」「投げるject」ので「落ち込ませる」でした。ゆえに、biodegradable=「生物」+「下に」+grad+ableまで判りました。 3番目はgradです。progressは「前に」「歩く」ので進歩ですが、gradはこのgressの異なる形であり、同じく「歩く」とか「段階」という意味です。考えてみると、gradual(徐々に)もgradation(グラデーション、段階)も共に「段階」に関係のある語ですね。ゆえに、biodegradable=「生物」+「下に」+「段階」+ableまで判りました。 最後のableですが、be able to(〜できる)という表現は中学校でも習うのでみなさんご存知でしょう。ability(能力)、capable(能力がある)、interchangeable(互いに交換できる)という語からも判るようにableは「〜することができる」という意味です。 ということで、これまでの知識を集大成すると、 biodegradable =「生物bio」+「下のde」+「段階grad」+「できるable」→「生物」と関係して「下の」「段階」に進むことが「できる」 というような意味だと推測できるはずです。つまり、細菌などによって無害な物質にまで分解される洗剤や容器のことをbiodegradableと言い、日本語に訳せば「生物分解性の」となるでしょう。biodegradable
という非常に長ったらしくて難しそうな単語でも、biology、deject、gradual、abilityという4つの単語の連想から意味を推測することができるのです!。語源の知識がいかに役に立つかがもうお判りですね。SATレベルの単語でも基本的な単語の連想から意味を推測することが出来るのですから。 以上のことを表にまとめてみるとこうなります。
biodegradable =「生物bio」+「下のde」+「段階grad」+「できるable」=「生物」と関係して「下の」「段階」に進むことが「できる」⇒「生物分解性の」 (2)一度覚えた単語は二度と忘れなくなる
また、語源に分析して単語を覚える方法は楽しいだけでなく、英単語が確実に記憶に定着する方法でもあります。次にbiodegradableという単語に遭遇した時に一遍に意味を思い出せなかったとしても、bio/de/grad/ableというように単語を区切ってみれば、biology、deject、gradual、abilityの連想から意味を組み立てて行くことができるはずです。 単語を完全に習得するためのキーは、やはり「語源で単語を覚える」ことなのです。そうすれば一度覚えた単語は必ず記憶に定着するし、共通する語源を持つ他の単語を芋づる式に覚える応用力も養われるのです。もちろん、英検一級レベルの英単語でもこの方法は通用します。下の表を見てください。
これらの単語はすべてある市販されている英検一級用の単語集の冒頭部から取り出したものです。こうして単語を羅列しているだけでは、非常に覚えるのに時間がかかるでしょう。また、丸暗記で一時的に覚えることが出来たとしても、よほど記憶力のいい人でない限り2、3週間後には忘れてしまっているはずです。 でも、これらの単語は接頭語・語幹・接尾語に分解すると非常に簡単に意味が覚えられるものばかりなのです。以下をご覧下さい。
という具合です。abduction(=誘拐)、abhorrence(=嫌悪)、
abomination(=嫌悪)……、と機械的に丸暗記するよりもずっと覚えやすいでしょう?。しかも、パズルを解くような面白さがありますよね。このようにして意味を推測できる例は、英検一級レベルの単語では他にもastrology(占星術)、attorney(弁護士)、autonomy(自治)、aversion(反感)、bellicosity(好戦性)、benediction(祝福)、benefactor(恩人)、benevolence(慈悲心)、circumlocution(まわりくどくいうこと)……、など枚挙に暇がないほどあるのです。 このように語源を利用した単語の覚え方には、 (1)はじめて出会った単語でも語源から意味を類推することが出来る (2)一度覚えた単語は二度と忘れなくなる という2つの大きなメリットがあることがよく判ったでしょう?。そして、この方法を使えば英検2級〜1級・TOEIC・TOEFLに対応する語彙力を確実に身につけることが出来るのです! |
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