「英語を学ぶすべての人へ」管理人中田が監修した英単語集、「語源とイラストで一気に覚える英単語」(2003年10月発売)は、アマゾンの和書ランキングで1位に輝くなど、多くの方のご支持をいただきました。どうもありがとうございます。
そして、2004年3月には、「語源とイラストで一気に覚える英単語」の続編が発売されました! その名も、「HYPER 語源とイラストで一気に覚える英単語」です!
詳細は、以下の通りです。
「HYPER 語源とイラストで一気に覚える英単語」
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著者: 清水建二
監修: William Joseph Currie(上智大学学長)
中田 達也
発行: 明日香出版社
価格: 1,700円(税別)
発売日: 2004年3月16日
全国の書店で、好評発売中です。
アマゾン、スカイソフトなどのオンライン書店でも、ご購入いただけます(送料無料!)。詳しくは、このページの一番下をご覧下さい。
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「HYPER 語源とイラストで一気に覚える英単語」の
序文をご紹介!
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「はじめに」より
既刊の「語源とイラストで一気に覚える英単語」が2003年10月に発売されて以来、たくさんの読者の方々から様々なご意見やご感想をいただきました。その内容は「語源を扱った単語集の中では一番使いやすい」とか「こんな単語集が前から欲しかった」など概ね好意的なものが大半で、特にオンライン書店・アマゾンでは和書総合で2日間1位に輝くなど予想以上の好評をいただきました。「本を書いていて良かった」というのが著者の偽らざる気持ちです。
さて、この度、読者の方々からのご要望に応えるべく、上級者向けに「HYPER 語源とイラストで一気に覚える英単語」を出版することになりました。本書の特長は、前作同様、いわゆるカタカナ語の中に含まれている語根の意味をイラストを見ながら再認識し、さらにその他の同じ語根を含む単語を連想的に楽しく覚えていく、という点にあります。例えば、「自動車の運転席と助手席に座っている人たち」のイラストを見ながら、sideに「座る」という意味があることを右脳と左脳で理解し、さらに、reside(re「後ろに(ゆったりと)」+side「座る」)が「居住する」、subside(sub「下に」+side「座る」)が「腰を下ろす、沈む」、preside(pre「(みんなの)前に」+side「座る」)が「司会をする、議長を務める」、presidentは「国民の前で指揮を執る人」から「大統領」の意味になる、などとイメージを広げながら覚えていく、といった具合です。
200の語根については、前作で取り上げたものの中から23の語根を再び選び、比較的難易度の高い語彙を集め(例えば、tract「引く」は前作では、attract / contract / distract / subtractを取り上げましたが、今回は新たに、detract / extract / retract / protractを扱いました)、さらに新たに177の語根を取り上げました。また、「なるほど英単語」と称するコラムでは語彙力のパワーアップを狙って、さらに30の語根を紹介しました。全体の構成については、前作と基本的に変わりありませんが、特に語根と単語の意味の連想が例外なくスムーズにできるように工夫しました。
本書を前作と併用していただければ、語源で覚える英単語としては、ほぼ完璧な形となり、未知の単語の意味も容易に推測できるようになるものと確信しております。
最後になりますが、本書を編纂するに際し、上智大学の学長として超多忙な毎日を送る身でありながら、今回の企画に多大な関心を示していただき、監修を快諾していただいた我が尊敬する恩師のウイリアム・カリー神父に、この場を借りて深い感謝の意を表したいと思います。
2004年 2月 著者 清水 建二
皆様からのご要望にお答えして、「HYPER」の序文では、
前作と「HYPER」の効果的な使い方をご紹介!
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前作「語源とイラストで一気に覚える英単語」に関して、「本の使い方が判らない」というご質問を読者の方からいただきました。そんなご要望にお答えして、「HYPER」の序文では、「本書の効果的な使い方」についてご紹介しています。「HYPER」のみならず、前作の「語源とイラストで一気に覚える英単語」でもあてはまる学習法ですので、前作をお持ちの方にも参考にしていただけたら幸いです。
以下は、「HYPER」に掲載されている、「語源で覚える英単語:実践編」を転載したものです。
語源で覚える英単語:実践編
語源で英単語を覚える方法には、「同じ語源を持つ単語を、関連づけて体系的に学習することができる」、「既存の単語の知識を元に、未知語の意味を推測することができる」という2つの大きなメリットがあり、非常に重要な英単語学習テクニックとして知られています。
しかしながら、日本人の英語学習者600人を対象としたノッテインガム大学のSchmitt博士による調査では、語源による英単語学習を使用したことがあるという学習者は、約15%しかいなかったという結果が出ています。
有益なテクニックと言われていながら、語源による英単語学習があまり一般に浸透していない理由は何でしょうか? それは、「語源で単語を覚える」ためには具体的には何をしたらいいのか、明確なガイドラインが確立されていないことでしょう。最近は、語源で覚えることをテーマにした参考書が増えていますが、単語が語源ごとに羅列されているだけで、何をどのようにどのような順番で学習したらいいのか、示しているものはありません。
前作「語源とイラストで一気に覚える英単語」は、そのような学習の指針として、「カタカナ語」と「イラスト」を活用することを提案し、皆様からご好評をいただきました。しかしながら、「『語源とイラストで一気に覚える英単語』を使用した、もっと具体的な学習法について教えて欲しい」といったご質問を、読者の方からいただいたことがあります。
そこで、「HYPER 語源とイラストで一気に覚える英単語」の刊行にあたり、我々の想定した本書の効果的な使い方をご紹介したいと思います。最適な学習法というのは、学習者個人の性格や、学習の目的によっても変わってくるものだと思いますので、あくまでも製作者側の想定したモデルということになりますが、ご参考にしていただければ幸いです(以下でご紹介する学習法は、前作「語源とイラストで一気に覚える英単語」と、今回の「HYPER 語源とイラストで一気に覚える英単語」の両方で共通して用いることができるものです)。
本書の使い方
1) 興味のあるページから学習してみましょう
本書は、先頭のページから順番に学習していっても、途中から学習をしていっても、どちらでも支障のない構成になっています。ぱらぱらと本をめくってみて、面白そうだと思うページがあったら、そのページからつまみ食い的に学習をしていってもいいでしょう。
ここでは、本書の128ページの、「98. vey, vy, view(見る)」というページに目が留まり、このページを勉強することにしたとします
2) そのページで紹介されている語源と、その意味を覚えましょう
学習するページを決めたら、ページの先頭にある語源と、その意味を見てみましょう。128ページの先頭には、
と書いてあります。これは、英単語の中に "view"という部分があったら、それは「見る」という意味である、ということを表します(見出しには、viewと並列して、"vey,"
"vy"という語根も書かれていますが、veyとvyはいずれもviewの変形版ですので、ここではviewで代表させることにします)。英単語の語根に関する知識は、関連のある単語を体系的に学習したり、未知語の意味を論理的に推測する際に大変役立ちますので、「view
= 見る」という公式を、きちんと抑えておきましょう。
とはいえ、「view = 見る」ということを丸暗記するのは、少し難しいと思われるかもしれません。それでも、心配は要りません。従来の英単語集とは違い、本書では、「view
= 見る」ということが論理的・直感的に覚えられるように、様々な工夫がされているからです。
3) フレーズとイラストを手がかりに、語源の意味を覚えます
そのような工夫の1つ目が、語源の下に書いてある短いフレーズです。「98. vey, vy, view(見る)」という見出しの下に目をやると、
マウントビューホテルは山が見えるホテル。インタビュー(interview)は中に入って相手を見ること。
という風に書かれています。
「マウントビューホテル(Mount View Hotel)」は「山が見えるホテル」であることを考えると、viewという語根には「見る」という意味があることが、丸暗記ではなく、理論的・合理的に覚えられそうです。考えてみれば、日本語でも「オーシャン・ビュー・ルームには特別料金がかかる」などといいますが、あれも「海の見える部屋」のことですね。このように、日本語化した外来語との連想を豊かに働かせて、「view = 見る」という知識を強固なものにしてゆきましょう。
本書では、ヒントとなるフレーズに加えて、更に記憶の助けとなるようなイラストも描かれています。「98. vey, vy, view(見る)」の項では、以下のようなイラストが掲載されています。
(書籍には、山の見えるホテルのイラストが
ここに入ります) |
山の見えるホテルが描かれたイラストを見ることで、先ほど理屈で覚えた「view
= 見る」という知識が、より直感的に理解できることでしょう。このように、語源の意味を覚える上でのキーとなるフレーズとイラストが各ページについていることが、類書には見られない本書の工夫のひとつです。
収録されている200個もの接辞・語根の意味を覚えるのは大変な作業に思えるかもしれませんが、日本語化した英語表現や、それに関連したイラストを手助けとすることで、無理なく楽しみながら学習できるように工夫がされているのです。
4) 学習した語源が含まれた、単語の実例を見てみましょう
Viewという語根には「見る」という意味があることが理解できたら、次に、この語根が含まれた単語にはどのようなものがあるのかを見てゆきましょう。128ページには、以下の4つの単語が、viewを含む単語の例として紹介されています(viewの変形版である、"vey",
"vy"も含みます)。
・ review
・ preview
・ envy
・ survey |
上のような4つの単語が目に入りました。もし、既にご存知の単語があったら、その単語が「見る」という要素とどのような関連があるのか、想像してみると良いでしょう。
5) 例文を見て、単語の意味を推測してみましょう
4つの単語をざっと眺めた後は、1つ1つの単語をじっくりと学習してゆきます。いきなり和訳や例文訳を見てしまわずに、まずは紙や付属の赤シートなどで和訳や例文訳を隠しておき、単語の意味を推測してみることをお薦めします。詳細は後述しますが、和訳で英単語の意味を確認する前に、例文や語源などのヒントから、その単語の意味を推測・予測することが、一見遠回りに見えるかもしれませんが、実は最も効率的な単語学習法なのです。
試しに、"review"という単語について、例文からその意味を推測してみましょう。Reviewが含まれた例文は、以下のようになっています。
The committee is reviewing the current situation. |
この例文の意味を考えてみると、
「その委員会は、現状をreviewしている」
となります。上の文脈と、viewに「見る」という意味があることを考えると、reviewはどういう意味の単語だと推測できるでしょうか? 「その委員会は、現状に『注目して』いる」でしょうか? それとも、「その委員会は、現状を『見直して』いる」でしょうか?
更に読み進めてみると、その謎が解けてきます。
6) 語源から、単語の意味を推測してみましょう
本書に収録している単語にはすべて、語源に分解するとどのような意味になるのかが記してあります。Reviewという単語の更なるヒントは、この語源解説に隠れています。本書に付属の赤いシートで日本語訳を隠しつつ、視線を更にずらして、reviewの語源解説を見てみると、
と書かれています。これはすなわち、「Reviewという単語は、re(再び)という接頭辞とview(見る)という語根に分解することができる」ということを表します。Reは「再び」という意味で、viewには「見る」という意味があるのであれば、その2つを足し算したreviewという単語は、「再び見る」ことをあらわすのではないか、という想像が出来ます。
先ほどの"The committee is reviewing the current situation."というという例文と、元来の意味が「再び見る」であることを考えると、reviewはどういう意味であると想像できるでしょうか? 「見直している」、「再検討している」などの意味になるでしょうか?
7) 例文や語源を元にした、自分の予測を確かめてみます
例文や語源から単語の意味を推測してみたら、更に読み進めて、いよいよ自分の予測を確かめてみましょう。日本語訳を隠していた赤いシートをずらしてみると、
re「再び」+view「見る」 →【動】再調査する、復習する、(書物の)批評をする
【名】再調査、復習、批評 |
などと書かれていました。Reviewという単語には、「再調査(する)、復習(する)、書物の批評(をする)」という意味があるようです。考えてみれば、「再調査する」ためには、事実関係を「再び見て」みることが必要ですし、「復習する」ためには、習ったことを「再び見」直してみることが必要です。「再調査」、「復習」といった正確な日本語は忘れてしまったとしても、reviewは「再び見る」ことを表すという大枠の意味さえ覚えていれば、後は文脈に応じて意味を取ってゆくことが出来そうです。
例文訳を見てみると、
とあり、先ほどたてた「再検討する」という予測がほぼあっていたことが確かめられました。
単語によっては、語源的な意味と、現代的な意味がかけ離れているものもあるため、このような予測が毎回うまく当たるとは限りませんが、辞書がない状況で未知語の意味を推測する練習も兼ねて、普段からこのような訓練をしておくことをお薦めします。
以上のような要領で、"preview," "envy," "survey"の3単語についても学習を進めてゆきましょう。Viewという語根を持つ他の単語をあわせて学習することで、「view = 見る」という知識が更に強固なものとなることでしょう。
本書を使う上でのポイント
本書を使用する際に、以下の2つのポイントに注意をすると、学習効果が倍増することが期待できます。
1)日本語訳を見るのは、単語の意味を推測してから
先程ご紹介した学習法では、reviewという単語を見ても、いきなりその意味を確かめようとはしませんでした。その代わりに、
・ Reviewという単語を含む例文から、意味を推測してみる
・ Reviewの語源(「再び」+「見る」)から、意味を推測してみる
という2段階の推測のプロセスを経て、その後にようやく答えを見るという方法をとりました。確かに、reviewという単語を見た直後に和訳を参照したほうが、時間の節約になりそうです。
しかしながら、推測のプロセスを経ずに、和訳をすぐに教えられてしまうと、英単語と和訳を表面的に結びつけるだけで満足してしまい、その時は覚えたつもりになるのですが、長期的な記憶にはつながらないことが判っています。逆に、「reviewという単語の意味は『見直す』かな? それとも、『注目する』かな?」と試行錯誤し、単語と悪戦苦闘した方が、その単語に関する記憶が印象的な分、記憶が長続きするといわれています。専門用語を使えば、「推測してたどり着いた意味(an
inferred meaning)は、与えられた意味(a given meaning)よりも記憶に定着しやすい」ということです。
つまり、和訳をすぐに参照することは、短期的には時間の節約に見えるかもしれませんが、それだけ忘却されてしまうスピードも速いため、長期的には無駄が多いということです。ですから、本書をお使いの方には、
1) 例文を見る
2) 例文から単語の意味を推測する
3) 単語の語源解説を見る
4) 語源解説から単語の意味を更に推測する
5) 和訳と例文訳で、単語の意味を確認する
という順番で学習を進めていただき、英単語の和訳を確認する前に、例文や語源からその意味を推測するというプロセスをたどっていただきたいと思います。
本書では、上のような学習がしやすいような工夫が2つされています。1つには、赤いシートが付属していることです。赤シートを活用することで、単語の語源解説を参照しながら、和訳を隠すことが簡単にできるため、4)の「語源から単語の意味を更に推測するというプロセスがスムーズにできるようになっています。
2つ目の工夫は、例文と例文訳の位置にあります。本書では以下のように、例文とその訳が離れた位置にあります。「離れていると訳が確認しづらいのになぜ?」とお思いの方もいらっしゃるかもしれませんが、このような構成になったのには、きちんとした理由があります。それは、例文の真下に例文訳があると、訳の部分だけを見て、その単語の意味を覚えたつもりになってしまい、単語に関する理解が表面的なもので終わってしまう危険性があるからです。
He got out of the car to survey the damage.
□ survey
sur「上に」+vey「見る」 →(上から見る)
→【動】ざっと見晴らす、調査する、概観する
【名】概観、調査
surveillance 【名】監視、見張り
訳:「 彼は車を出て損傷を調べた」 |
←例文
←例文訳
|
上のような構成は、例文と例文訳を対比させたいという場合には少し不便かもしれませんが、例文から単語の意味を推測し、更に語源解説から推測するという段階的な学習を行う際には、非常に適したものとなっています。皆様には、上のような構成を生かして、a
given meaningに出会う前に、自分なりのan inferred meaningを生み出して、単語との出会いをより印象的なものにしていただきたいと思っています。
−−− * −−−
2)芋づる式に単語を覚えよう
先程、reviewという単語は、re「再び」+view「見る」という語源に分解できるため、「再調査(する)、復習(する)、批評(をする)」という意味になることを学びました。
128ページに紹介されている4単語すべての語源と意味をまとめると、以下のようになります。
|
語源の意味 |
意味 |
review |
re「再び」+view「見る」→再び見ること |
再調査(する)、復習(する)、(書物の)批評(をする) |
preview |
pre「前に」 + view 「見る」→前もって見ること |
下見(する)、下調べ、試写会 |
envy |
en「上に」 + vy 「見る」 →相手を上に見ること |
羨ましく思う、ねたむ |
survey |
sur「上に」 + view「見る」 →上から見ること |
ざっと見晴らす、調査(する)、概観(する) |
上のように単語の成り立ちを知った上で意味を把握すれば、「review = 再調査する」「preview
= 下見する」、「envy = うらやましく思う」、「survey = 調査」などと丸暗記するよりも、確実に記憶に定着することでしょう。また、仮に記憶があやふやになってしまったとしても、語源さえ覚えていれば、意味を思い出すきっかけになります。
しかしながら、それぞれの英単語の語源を理解するためには、reviewのre-には「再び」、previewのpre-には「前に」、envyのen-には「上に」、surveyのsur-には「上に」という意味があることを知らなくてはいけません。
Viewという語根の意味は、「マウントビューホテルは山が見えるホテル」というフレーズと、それに関連したイラストで覚えましたが、re-,
pre-, en-, sur-の意味はどのようにして覚えたらいいのでしょうか? それには、前作や本書の該当箇所を参照することをお薦めします。
実は、128ページに登場するre-, pre-, en-, sur-という接頭辞は、すべて前作「語源とイラストで一気に覚える英単語」か、本書の別のページに取り上げられているものです。ですから、viewという語根を学習している際に、他の接頭辞や語根について知りたくなったら、前作や本書の該当ページを見れば良いのです。
そのような調べ学習が容易になるように、本書では、書籍中に登場する接頭辞、あるいは語根が、前作や本書の別の箇所で取り上げてられている場合は、その接頭辞・語根の登場箇所を明記するようにしています。
例えば、「98. vey, vy, view(見る)」のページを見ると、
□ review
re「再び」+view「見る」 →【動】再調査する、復習する、(書物の)批評をする
「語源」26
【名】再調査、復習、批評
□ preview
pre「前に」+view「見る」 →(前もって見ること)
「語源」29
→【名】下見、下調べ、試写会、予告編
【動】下見する、試写を見る
□ envy
en「上に」+vy「見る」 →(相手を上に見る)
「語源」P.238
→【動】羨ましく思う、ねたむ 【名】ねたみ、羨望の的
□ survey
sur「上に」+vey「見る」 →(上から見る)
「HYPER」14・15
→【動】ざっと見晴らす、調査する、概観する
【名】概観、調査 |
などと書かれています。上の表中で、「re『再び』(「語源」26)」、「sur『上に』(「HYPER」14・15)」というのは、re-という接頭辞については、前作の26番に、sur-という接頭辞については、本書の14・15番に、それぞれ関連情報があるということを示しています。
このように、既出の接辞・語根については、関連情報のある場所を明示し、気になった接辞・語根があった場合に、学習がしやすくなっているのが、本書の大きな特徴の1つです。
接頭辞・語根の参照情報を活用すれば、「reviewのre-には『再び』」という意味があるらしいけれど、他にre-のつく単語にはどんなものがあったかな?」、「surveyのsur-には『上に』」という意味があるらしいけれど、どうも覚えにくいな。『Sur=上に』ということを覚えるためには、どんな外来語を思い出せばいいんだっけ?」などという疑問が生じた際に、すぐに必要な情報にたどり着くことができます。
参照情報を利用して、縦横無尽に前作と本書を行き来することで、surveyのsur-と、surface(sur 上に+face顔→表面), surname(sur 上に+name名前→名前の上につくもの→苗字), surcharge(sur 上に+charge料金→通常の料金を越えた→追加料金), surmount(sur 上に+mount登る→上まで登る→克服する)のsur-が、実は同じ語源であったことが判るなど意外な発見があることでしょう。単語と単語との意外なつながりを発見する楽しさは、単語と和訳を表面的に結びつけるだけの無味乾燥な英単語学習では味わえない、語源学習ならではの醍醐味です。
このように、viewという語根を学習しながら、viewと結びつく接頭辞・語根について同時に理解を深めてゆくことで、語源に関する理解がより多面的なものになり、単語に関するより深い理解へとつながります。
参照情報が明記されているという本書の特徴を活用して、色々な接頭辞・語根を行き来することで、頭の中に英語語源のネットワークが徐々に形成されるプロセスを、皆様に楽しんでいただきたいと思います。
本書をマスターした後は、どうすれば良いの?
前作と本書を学習することで、皆さんは英単語学習でキーとなる接辞・語根を、約400学習したことになります。前作の序文でご紹介した、「32の接辞・語根を覚えるだけで、14,000以上の英単語の意味を推測する鍵が得られる」というデータを考えると、400もの接辞・語根を知っていれば、語源に関してはほぼ必要な知識を網羅したと考えていいでしょう。
本シリーズに網羅された約400の語源と、約3,300の英単語をマスターされた皆さんは、英字新聞や洋書などに含まれる難度の高い語彙でも、語源の知識を活用して、意味が推測できるようになっていることでしょう。そして、リーディングを進めている内に、接辞や語根に分析できそうだという単語が出てきたら、本書で学んだ知識を元に、その単語の意味を予想してみて下さい。そして、辞書などで自分の予測が正しかったかどうかを確認してみましょう。
リーディングを通して、語源の知識で分析できる新たな英単語に出会うことができたら、その単語を、前作や本書の該当箇所に追記しておかれるといいでしょう。難度の高い読解教材と、本シリーズとを何度も往復することで、「語源で覚えられる英単語」のレパートリーをどんどん拡大してゆくことができるでしょう。
本シリーズに書かれた語源の知識は、ご紹介している約1,600の英単語だけではなく、更に何千、何万という英単語を学習する上での基盤となるものです。皆様が、本シリーズに書かれた知識をマスターされた後でも、語源に関して疑問が生じた際に本シリーズを参照され、英単語学習の友として末永く活用していただければ、製作協力者としてこれほどの喜びはありません。
2004年2月
中田 達也
(参考文献)
Nation, I.S.P. Teaching and Learning Vocabulary. Mass: Newbury House, 1990.
Schmitt, N. "Vocabulary Learning Strategies." (ed.) McCarthy, M. and Schmitt, N. Vocabulary: Description, Acquisition, and Pedagogy. Cambridge: Cambridge University Press, 1997.
お詫びと訂正 |
「HYPER 語源とイラストで一気に覚える英単語」の中で、以下の箇所に誤植がありました。
P. 170
"paramedic"という単語の例文の冒頭に、"Parademics"とありますが、正しくは"Paramedics"でした。
P. 224
"tremendous"という単語の例文訳に、「ここ数週間」とありますが、正しくは「ここ数ヵ月」でした。
皆様には大変なご迷惑をおかけいたしました。深くお詫び申し上げます。誤植に関してご指摘をして下さった方々に、改めて御礼申し上げます。
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