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このページでは、「英語を学ぶすべての人へ」主宰者、中田が監修した英単語集、「語源とイラストで一気に覚える英単語」に関する情報をお届けしています。
「序文」より「外国語学習者は、通常、文法書ではなく、辞書を持ち歩くもの」という言葉があります。 この言葉が示すとおり、高度な英語力を身につけるために、語彙力の強化は欠かせません。しかしながら、現実には、学習者の多くが単語学習に対して苦手意識を持っているようです。その理由の1つとして、英語の授業において、どうしたら語彙を効果的に学習できるのかという方法論がきちんと指導されていないということが挙げられます。単語学習は、教室内の指導で完結するものではなく、学習者個人の学習によるところも大きいため、学習者が教室外でどのような学習を行えば効果的に語彙力を増強できるかどうか、教師が体系的な指導をすることが欠かせません。しかしながら、日本の英語教育において、語彙の指導は効果的に行われていないようです。皆さんの中にも、「『辞書を引きなさい』、『単語帳を作りなさい』と言われたことはあるけれど、それ以上具体的な学習法は教えてもらったことがない」という経験をお持ちの方は、案外多いのではないでしょうか? もう1つの理由は、日本人が学習する英単語の数が圧倒的に不足しているということです。文部科学省の「学習指導要領」では、中学・高校の6年間で、2,700単語を学習することが義務づけられています。しかし、TOEICやTOEFLで高得点をとるためには、約,8000語〜10,000語が、大学の教科書などの専門的な英文を読みこなすには、10,000語以上の語彙力が必要だと言われています。つまり、英語を自由に使いこなしたいと思ったら、中学・高校で学習した数の、更に3倍〜4倍もの英単語を学習しなくてはいけないということです。 以上のような理由から、多くの英語学習者が、「単語力不足を克服したいけれど、その方法が判らない」というジレンマに陥っています。そんなジレンマを克服してくれるのが、本書でご紹介している、「語源で単語を覚える」という学習法です。 --- * --- 私が語源による英単語学習を始めたのは、高校3年生の3月頃でした。私の英語力は、当時英検2級に受かった程度でしたが、同年の10月に、英検1級の1次試験に合格することができました。英検2級で出題されるのは約5000語であり、英検1級では約10,000〜15,000語が要求されるということを考えると、私の語彙力は7ヶ月あまりの間に、約2〜3倍にも増加したことになります。語源学習の有用性を確信した私は、自分の運営するWEBサイトや各種セミナーにおいて、語源による英単語学習を多くの方にご紹介できるよう、努めてきました。しかしながら、語源による英単語学習を皆さんにお薦めする上で、障害となったことが一つありました。それは、語源学習に関する参考書のほとんどが「応用編」に相当するものであり、「基礎編」が出ていなかったということです。「語源で単語を覚える」というコンセプトの英単語集は幾つか出ていますが、難解な語彙が語源に分類されて羅列されているだけのものが多く、語源学習をこれから始めようとされる方々にとっては、ハードルが高いものが大半でした。語源学習の基礎を手とり足とり教えてくれる、入門書にあたるものが残念ながらなかったのです。 そんな折、明日香出版の小野田さんから、清水先生が「語源とイラストで一気に覚える英単語」という書籍を書かれているということを教えていただきました。そして、お二人のご厚意により、私も本書の製作をお手伝いさせていただくことになりました。語源学習を一から始めたいという方々のための入門書が必要であると常々思っていた私にとって、語源学習のための入門書の決定版を目指して作成された本書の製作に係われたことは、望外の喜びでした。清水先生と小野田さんは、本書の全体的なコンセプトから、1つ1つのイラストの内容に至るまで、私のつたない意見に耳を傾けてくださいました。その結果、本書は「こんな本があったら便利だな」という私の読者としての願いに、見事に答えてくれるものになりました。 --- * --- 語源による英単語学習をWEBサイトやセミナーで皆さんにご紹介する経験を通して、英単語学習に関する関心の高さ、悩みの深さを知った私は、現在、大学院で英単語習得を専門に研究しています。研究を進める中で、語源による英単語学習は、数多くの専門的な文献の中でも効率的な学習法として取り上げられているということが判ってきました。そして、私は、本書が世に出る意味の大きさを再認識しています。語源による英単語学習は、英単語学習のジレンマを克服し、英単語力を体系的・飛躍的に伸ばすためには欠かせないテクニックです。本書を活用して、語源による英単語学習を、皆さんにも是非身につけていただきたいと思います。
本書には、以下のような2つの大きな特徴があります。 1) 初心者のための語源による英単語集語源学習を行うためには、まず基礎的な接辞・語根の意味を覚えることが必要です。そこで、語源による英単語学習の入門書を目指して作成された本書では、語源による英単語学習の重要な基礎となる、接辞・語根の意味が無理なくマスターできるような工夫がなされています。具体的には、接辞や語根の知識を増やすためには、既に皆さんが知っている英単語を、接辞・語根に分解することが効果的です。例えば、首からつるすペンダント(pendant)との連想を働かせることで、"pend"という語根には「つるす」という意味があるということを簡単に覚えることが出来ます。 Pendantの他にも、メリット(merit)、デメリット(demerit)、リアクション(reaction)、プレゼント(present)など、日本語でも日常的に使われる英単語の中にも、基本的な接辞・語根を覚える上での一助となってくれるものが多数あります。本書では、ご紹介している接辞・語根を含む日本人に良く知られた外来語がある場合は、それらを各ページの冒頭に明記することとしました。そうすることで、既存の語彙知識を活性化しながら、接辞・語根に関する知識を無理なく習得することができるからです。 接辞・語根に関しても、闇雲に多くのものを収録するのではなく、語源学習を行う上でおさえておきたい約200に絞りました。そして、一つ一つの接辞・語根につき、意味を覚える上での手助けとなるキャッチ・フレーズや、イラストを添えました。 また、本書では、各接辞・語根について4個ずつの英単語が収録されていますが、難解なものは意図的に避け、多くの日本人英語学習者にとって馴染みのあると思われるもの、あるいは既存の語彙知識を応用すれば無理なく習得できるものを中心に収録するように努めました。難解な語彙を避けた方が、接辞や語根に関する知識を増やしたり、語源で単語を覚える方法に慣れるという本書の目的にかなっていると判断したからです。 確かに、自分の知らない単語を一刻も早く覚えたいという方には、既知語が収録された単語集を使用するのは、効率が悪く思えるかもしれません。しかしながら、先程ご紹介した、32の接辞・語根の知識は14,000以上の単語に応用できるというデータを思い出してみてください。一見回り道のように思えるかもしれませんが、接辞・語根に関する知識は、何十倍、何百倍もの語彙を習得するための重要な基礎体力として、後々の語彙学習を飛躍的に簡単にしてくれるのです。 2)例文で英単語のニュアンスや用法を知る本書の2番目の特徴は、語源の解説に加えて、各単語を使用した例文が収録されているということです。語源で英単語を学習する方法は非常に効果的なテクニックですが、もちろん限界もあります。語源学習は、英単語とその和訳を結びつける上では大いに役に立ちますが、英単語を和訳と結びつけることができたらかといって、その単語を「マスターした」と必ずしも言えるわけではありません。例えば、adviseという単語は、「〜することを勧める」という意味で、「〜することを提案する」という意味のsuggestと、非常に似た意味を持っています。しかしながら、adviseとsuggestという動詞は、それぞれ使用する際に異なる文法的制約を受けます。 例えば、adviseは目的語に不定詞を取ることができるので、 I advised her to be more careful. と言うことはできますが、 * I suggested her to be more careful. と言うことはできません。Suggestは、後にthat節か動名詞しか取ることができないため、 I suggested her being more careful. または、 I suggested that she [should] be more careful.(アメリカ英語では、shouldは省略可能) としか言うことができないのです。 各単語の持つニュアンス、文法的特徴、類義語との相違点などを正しく理解するためには、その単語が実際にどのような状況で使用されているのか、使用例に数多く触れることが重要です。そのために、本書では収録語彙には必ず例文が収録されています。スペースの都合上、例文は原則的に各単語につき1つまでしか収録することができませんでしたが、和訳だけでは伝えきれないような各単語の持つニュアンスや文法上の制約などを、例文から是非読み取ってみてください。特に興味を引く単語があったら、辞書などで更に多くの使用例や、類語との違いなどを調べてみて、本書の余白に書きとめておくのも良いでしょう。 --- * --- 本書には、皆さんが語源による英単語学習を本格的に始めるために有用な、様々な工夫がなされていることがお判りいただけたでしょうか? 語源による英単語学習は、中学高校で皆さんが学んだ英語力から一段ステップ・アップし、更に実践的な英語力を身につけるためには欠かせないテクニックです。皆さんが語源学習の基礎を習得し、英単語力を体系的・飛躍的に伸ばすための下地作りをされる際に、本書が活用されることを願ってやみません。2003年9月 中田 達也 参考文献Nation, I.S.P. Teaching and Learning Vocabulary. Mass : Newbury House, 1990.Oxford, R.L, and R.C. Scarcella. "Second language vocabulary learning among adults: state of the art in vocabulary instruction." System 22, 2 (1994): 231-243. 田中実. "語彙の習得." 第二言語習得研究に基づく最新の英語教育. (編)SLA研究会. 東京:大修館書店, 1994. 投野由紀夫(編). 英語語彙習得論. 英語教育リサーチ・デザイン・シリーズ. 東京:河源社, 1997.
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