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TOEFLライティング・セクション

(以前はTWEと呼ばれた独立した試験だったが、2000年10月以降のコンピュータ版TOEFLでは、ライティング・セクションとしてTOEFL試験の一部となった) 
データ集 1、利用状況 2、問題構成 3、概要 4、対策 ネイティブにきくTWE満点答案 5、まとめ  TWEに関する質問集 トップページへ戻る
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このTOEFLライティングに関するページのほぼ全文が、「ライティング学習法」として、講談社から出ている書籍、「TOEFL・TOEICと日本人の英語力」に掲載されました! 詳しくは、こちらをご覧下さい。

データ集

試験時間:30分 形式:自由記述式

得点:0.5点刻み 最低点1.0点 最高点6.0点(エッセイを書かなかった場合は「1NR」、エッセイが与えられたトピックからずれていたら「OFF」と記載される)

配点:2人の採点者による主観評価(2人のつけた得点の開きが1.0点以上ある場合は、3人目の採点者が加わる)

時期:2000年10月から導入されるコンピュータ版TOEFLでは毎回行われ、TOEFLのスコアの一部となっている(ペーパー版TOEFLでは、年5回だけ行われた)。

受験者:約35万人(1997年7月から98年6月まで)

受験料:TOEFLの受験料$110に含まれる 製作:ETS(Educational Testing Service、アメリカの非営利テスト製作団体)

主な受験者:アメリカやカナダの大学・大学院に留学したい人

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1、利用状況

 2000年10月から、日本のTOEFLも紙ベースからコンピュータ版(通称CBT)へと移行しました。この移行に伴い、今までTOEFLとは切り離された試験だったTWEが、ライティング・セクションとしてTOEFLの一部になりました。ライティングやスピーキングなど、英語で自分の意見を述べるのがあまり得意ではない日本人にとって、ライティングがTOEFLに加わったのは頭の痛い問題です。これからTOEFLを受験する人は、リーディング・グラマーなど受け身の英語力を伸ばす従来の学習に加え、英語で自分の意見を発信する学習にも力を入れなければならなくなったのです。

 しかし、ひとつだけ朗報があります。それは、従来のTWEでは、どのようなトピックが出題されるか試験当日までは判らなかったのに対し、CBTではあらかじめTOEFL Bulletinという小冊子にリストアップされている185のトピックの内の一つが出題されることになった、ということです。TOEFL BulletinはTOEFLの公式ホームページ(http://www.toefl.org/)からpdf形式でダウンロードすることも出来ますし、郵送してもらうことも出来ます(2001.8.19)このページの先頭に戻る

2、問題構成

受験者は指定されたトピックについて30分以内でエッセイを書きます。トピックは1つだけしか与えられず、自分で選んだり変えたりすることはできません。書いたエッセイがトピックからずれていた場合、そのエッセイは採点されず、得点欄には「OFF」と記載されます。

トピックは、「20世紀に人間のライフ・スタイルは大きく変化したが、その中であなたが最も重要だと思う変化は何か?。具体的な例を挙げなさい」、「他人に協力的になることと競争的になることではどちらがいいと思うか。あなたの意見とその理由を述べなさい」のように自分の意見を求めるもので、意見には必ずそれをサポートする具体例や理由が必要になります。トピックは特別な専門知識がなくても書けるような一般的なものです。

コンピュータ版TOEFLでは、ライティング・セクションのみコンピュータで書いても紙と鉛筆で書いても良いことになっています(結果が郵送されるまでに手書きの場合は約5週間後かかるそうですが、タイプした場合は約2週間で郵送されるそうです)。このページの先頭に戻る

3、概要

今までは留学先の大学・大学院がTWEのスコアを要求してこない限り受けなくても良かったのですが、2000年10月からはTOEFL試験の一部となったので、TOEFLを受験する人は必ず受験しなくてはいけなくなりました。

英作文の評価基準についてETSは、「ライティング・セクションでは受験者の英語での作文能力を測定する。これには、アイデアを生み出しそれを整理し(organize)、それらのアイデアを実例と証拠で立証し(support)、指定されたトピックについて標準的な英語で作文をする能力を含む」と述べています。つまり、標準的な英語で作文するための文法能力だけではなく、ひとつのエッセイという作品に仕上げる技術も評価される、ということです。

また、点数の基準についてETSは以下のように説明しています。

点数 説明
Demonstrates clear competence in writing on both the rhetorical and syntactic levels, though the essay may have occasional errors.
Demonstrates competence in writing on both the rhetorical and syntactic levels, though the essay will probably have occasional errors.
Demonstrates minimal competence in writing on both the rhetorical and syntactic levels.
Demonstrates some developing competence in writing, but the essay remains flawed on either the rhetorical or syntactic level, or both.
Suggests incompetence in writing.
Demonstrates incompetence in writing.
1NR Did not write an essay.
OFF Did not write on assigned topic.

以上のことをまとめると、次のようになるでしょう。ライティング・セクションには採点の基準が3つあり、それらは、

1)内容―エッセイに書かれているアイデア。

2)文法的側面―構文、スペル、形態素(三・単・現のsや動詞の過去形など)のミスがないか。

3)エッセイを仕上げるための技術的側面―自分の意見を理路整然と、一貫した構成のエッセイという形で表現できているか。

 という3つの基準である、ということです。

1)についてですが、いくら文法能力があって技術的に優れていても、内容がなければいいエッセイにならないことは明らかです。採点者が読んでいて、「なるほどね〜」と唸るような意見を、わかりやすく具体的な実例で論理的に裏付けることができれば最高です。

2)についでですが、最高点の6点でも"the essay may have occasional errors."としているように、ネイティブと同等の文法的完璧さまでは求められません。たとえば、3・単・現のsを抜かしたり前置詞を少しくらい間違っても意味の上では大きな誤解は招かないので、採点者も目をつぶってくれるでしょう。しかし、文の意味が通じなくなってしまうほどの大きな間違いは採点者を混乱させるので、印象が悪いかもしれません。

3)についてですが、英語で自分の意見を述べることに慣れていない人は注意が必要です。英語では論理が大変重視されるため、意見を述べたら必ずそれをサポートする具体例や理由が必要になります。また、

@日本語では結論が一番最後に来るが、英語では結論が一番はじめにも来る、

Aパラグラフのはじめにはトピック・センテンスが来る(トピックセンテンスとは、そのパラグラフの内容をひとことでまとめたらこうなる、という文のこと)、

B文と文、パラグラフとパラグラフの間には論理的な関係がなければならず、論理の飛躍があってはならない、

などの原則はもちろん守らなくてはいけません。いくら書いたエッセイが文法的に非の打ち所のないものであったとしても、支離滅裂な文章であったり、論理的な一貫性を書いていたら、評価は低くなってしまうのです。このページの先頭に戻る

4、対策

TOEFLのライティング・セクションで高得点を取るのは困難です。たとえば、97年6月から98年7月までの受験者の得点分布を見てみると、以下のようになります(数字は、ライティング・セクションがまだTWEと呼ばれていたときのものです)。

得点      %      4.5        82   2.5        9   
6.0 99 4.0 62 2.0
5.5 97 3.5 40 1.5
5.0 91 3.0 23 1.0 <1

つまり、上位10%にいてもやっと5.0点しかとれず、最高点を取るには上位1%に入っていなくてはならない、ということです。しかも、これは日本人だけではなく英語が得意なスウェーデン人・ドイツ人などのヨーロッパ系の国民(その中でも留学を目指す精鋭たち)も含むので、日本人で5.5点以上の高得点を取る人はかなりレアである、といえます。

しかし、幸い私は99年8月のテストで満点の6.0点を取得したので、その秘訣をここに公開しようと思います。

TWE満点答案を公開!!

それではここに、私がTWEの本試験で書いた答案を再現してみます。もちろん試験中のメモなどは残っていないのですが、記憶をたどって一字一句かなり忠実に再現しています(この答案に対する英語のネイティブ・スピーカーの感想は、「ネイティブにきくTWE満点答案」のページをご覧下さい)。

Topic: What do you imagine life in the 21st century will be like? Please state your opinion using specific examples.

When I think of the life in the 21st century, only negative images occur to me. I believe people's life in the next century will be much worse than what it is now. The way I see it, human beings will have to face a lot of complicated issues that are difficult to deal with in the next century. There are a couple of reasons I feel this way. Let me tell you each reason one by one.

Firstly, I believe the population explosion problem will be one the most difficult challenges human beings ever have. Right now, there are about 5.8 billion people on the earth, about 0.8 billion of whom do not have enough food to eat. That could mean our earth can only support people of about 5 billion. However, I have read an article that tells me that by the year 2050, the whole world population will be estimated to reach 10 billion, about twice as many as today. The population explosion will certainly lead to worldwide shortage of food. Even another world war might break out between countries with enough food and ones without it.

Secondly, the environmental issues will also be a very difficult challenge to overcome. When I think of environmental issues, Minamata Disease comes to mind. It was an environmental disaster caused by methyl mercury emitted by a local plant in the 60's in Kumamoto prefecture, in Japan. What surprised me most about the disease was that effluents emitted by the plant were poisonous enough to kill as many as 200 million people. That could mean that effluents emitted by just one plant could have killed about twice as many people as Japan's whole population. Technology has made our life much more convenient. However, if we are not careful enough, that could destroy all the human beings.

Those are why I am pessimistic about people's life in the 21st century. Besides the population explosion problem and the environmental issues, there will be other issues such as Y2k bug, the nuclear arms racing, the aging population and the decrease in birthrate in the developed countries, and so on. I do not think people's life will be better than now in the next century. Instead, we will be flooded with lots of difficult problems to deal with.

どうでしょうか?。やっぱり難しいな、という印象でしょうか?。でも、この程度で満点なの?、と感じてらっしゃる方もいるかもしれません。事実、辞書を引かなくてはわからないような単語はあまりないでしょうし、文法的に難しい構文も何一つ使っていません。

以下に、上の答案でなぜ6.0点を取れたのか分析し、それを書くために私がどのような準備をしたかをご紹介します。このページの先頭に戻る

1、内容について―英検二次対策のようなネタのストックが効果的

⇒「ネタのストックの仕方について」へジャンプ

⇒2、文法的側面についてへジャンプ

内容についてですが、「21世紀の人間の生活はどうなると思うか?」という問いに対して、きちんと証拠と共に実例を述べているので高得点につながったのでしょう。また、エッセイでは一貫して「21世紀に人間の生活は悪くなる」という悲観的な姿勢を貫いてみました。もちろん、これは自分の本当の意見ではないのですが、構成を考えている内にそういうスタンスで書くと書きやすいだろう、と判断してそうしました。確かに、「テクノロジーが今以上に進歩して生活が便利になる」、とか「インターネットがさらに発展し世界中がひとつになる」というようなもいい面ももちろん浮かんだのですが、そういうプラスの側面まで書いていると結局何を言いたいのか判らないエッセイになってしまう、と思ったので一言も触れませんでした。別にこのエッセイを読む人はあなたの事は知らないので、そのくらい割り切って書いてしまっていいと思います。ただし、時間的に余裕があれば21世紀のもたらすいい面と悪い面を比較して、悪い面のほうが深刻だから人々の生活は悪くなる、くらい書ければより良いエッセイになるでしょう。ただし、試験時間も30分と限られていますし、先ほどの悲観に徹した一面的な文章で高得点が貰えたので、そこまでは要求していないのだと思います。

また、上に掲載したエッセイをご覧になると、第2・第3パラグラフの実例がかなり詳しく書いてあることが判ると思います。これは、TWEを受験したちょうど1月前に英検一級の二次試験があり、どんなトピックが出題されても対応できるように、環境問題・教育・高齢化社会などの社会問題について英語で意見を述べられるように練習をしておいたのが大きかったと思います。そのストックがこのTWEの本番でも活躍してくれたのです(英検一級二次試験対策については、こちらのページを参照)。

たとえば、第2パラグラフで述べている「人口爆発問題」も第3パラグラフの「環境問題(水俣病)」も、英検一級で出題されることを想定してほぼ暗誦するくらい繰り返していたものです。そのような話の「ネタ」となるものを普段からストックしておけば、それを試験で再現するだけでいいのです。そうすれば、30分という短時間で非常に内容が濃いものが書けます。また、話の「ネタ」のストックは、他の資格試験でも必ず役に立つものです。たとえば、99年7月の国連英検B級では「環境問題についてあなたの意見を述べなさい」という問題が出たので、この「水俣病」の知識がまた役に立ちました。第一番めの評価基準である内容面を充実させるには、普段から色々な情報を収集しておき、それを英語で述べられるようにしておくのが効果的です。ちなみに人口爆発のことは NHKのドキュメンタリー番組で知り、水俣病のことは高校の保健体育の教科書で知った情報です。メモしてストックしておいたネタは、いつどこで役立つか判らないものです。また、英語で様々な問題について論じられるようにしておくことは、資格試験に限らず、英会話をしたり英語で手紙を書いたりする時にも役に立つのです。このページの先頭に戻る

英検・TWE・国連英検で活躍するネタのストックの仕方

 ⇒1、内容についてトップに戻る

⇒2、文法的側面についてへジャンプ

1、ルーズリーフへのまとめ方

TWEや英検一級二次試験で使えそうないわゆる「ネタ」のストックの仕方ですが、私はルーズリーフを使い、分野ごとにネタを書きこんでいます。ここでいう分野とは英検一級二次試験頻出トピックの18分野(頻出18分野の一覧はこちらをクリック!)のことです。英検一級二次試験用に作った分類ですが、幅広いのでこれでTWEや国連英検の作文にも対応できると思います。念のために「19.その他」というページも作っておき、18分野以外のことはそこに書きとめておくといいと思います。ルーズリーフを使うのは分野ごとにどんどん継ぎ足せるからです。

そのように分野ごとのページを用意したら、たとえば「5.環境問題」のページには「〜という環境問題でどのくらいの被害があった」などと本試験で自分の意見を立証するのに使えそうな実例を次々と書きたしてゆくのです。英検でもTWEでも、「自分の意見を述べなさい」という形で自分が賛成なのか反対なのかを表明しなくてはならない場合が多いので、たとえば「7.健康・医学」に「クローン人間」という項目を作るとしたら、クローン人間を合法化することの「メリット」、「デメリット」の両方を記入しておくといいでしょう。双方を書いた上で最終的に自分が「賛成」なのか「反対」なのかを記入し、その問題についての態度を決めておくと試験本番になってからいきなり慌てずに済みます。例を挙げると、

7.健康・医学

・Human cloning

(Merits)

1. Human cloning would enable any couple to have a baby, protecting the right to reproductive freedom of gay couples, lesbian couples and infertile women. 

(クローン人間を作る技術は、同性愛や不妊などで子供を持てないあらゆるカップルが子供を持つことを可能にし、彼らのリプロダクティブ・ライツを守ることにつながる)

2. Human cloning would enable the duplication of individuals of great talent such as Einstein. It will surely contribute to advances in our lives.

(クローン人間を作る技術はアインシュタインのような偉大な才能を持った人の複製を可能にし、人類の生活の向上に貢献する)

3. Human cloning would enable individuals to clone someone who had special meaning to them, such as a child who had died.

(クローン人間を作る技術は死んでしまった子供など人々にとって特別な意味のある個人のクローンを作ることを可能にする)

(Demerits)

1. Human cloning would produce psychological distress and harm in the cloned human.

(クローン人間を作る技術により生まれた人は、心理的苦痛を感じることになる)

2. Human cloning might be used by commercial interests or financial gain. It would lessen the worth of individuals and diminish respect for human life.

(クローン人間を作る技術は商用目的で使用される可能性がある。そのような行為は個人の尊厳を踏みにじるものだ)

3. Human cloning would divert resources from other more important social and medical needs.

(クローン人間を作る技術は他のもっと重要な社会的・医学的問題にかけなければならない資源を奪う)

(参考文献)

Brock, Dan W. CLONING HUMAN BEINGS -An Assessment of the Ethical Issues Pro and Con-,1997

となります。こんな感じで18すべての分野にエントリーをしてゆけば、本試験でどんなトピックが出てたとしても何らかの意見は述べられるようになっているはずです。

 どこからこういうネタを集めてくるか、ということですが、やはりJapan Timesなどの英字新聞やTIMEなどの雑誌が便利です。英語に訳す手間が必要になりますが、日本語の新聞・雑誌・テレビ番組でもいいでしょう。常にアンテナを鋭くしていれば、ネタなんてどこにでも転がっているものです。私の場合、TWEの本試験で活躍したネタは意外にもNHKのドキュメンタリーや高校の教科書で知った情報だったのですから。また、英検一級二次対策ページ「目指せ英検一級!」の作者ハーシーさんは、「日本の論点(文芸春秋社)」・「朝日キーワード英語版(朝日新聞社)」などの本も役に立った、とおっしゃっています。くわしくは、 目指せ英検一級!(http://ww3.tiki.ne.jp/~hershey/)へどうぞ。

2、「決まり文句」用のページも作る

また、「〜についての私の意見は……です」・「〜であるがゆえに私はこう思うのです」・「この問題について我々は真剣に対応策を考えなければなりません」など、どの分野でも使える「決まり文句」もたくさんあるのでそれは別にまとめておいた方がいいでしょう。私は「19.その他」の後に「Useful Expressions」というそれ専用のページを用意していました。ここには、"Let me finish up by stressing that …(最後に……ということをもう一度強調したいと思います)"などの定型句をまとめておきます。

また、「増加する」という意味のrise, shoot up, go up, increaseなどの類語表現もここにまとめておきました。英語では同じ表現を続けて使うのはあまりスマートではないと考えられているため、ひとつのエッセイやスピーチに同じ単語を何度も使うと目障り・耳障りな感じを与えかねません。類義語はそんな繰り返しを防ぐという点で非常に便利です。特に「増加する」のような表現は使用頻度の高い「Useful Expressions」であるからこそ類義語をまとめておく必要性がある、といえるでしょう。このページの先頭に戻る


2、文法的側面について―ラジオ講座などで覚えた確実に使える表現のみを使う

⇒1、内容についてに戻る

⇒3、技術的側面についてへジャンプ

上のエッセイでは、水俣病を説明する上でmethyl mercury(メチル水銀)・emitted(排出された)・effluents(汚染物質)などの少し難易度が高い単語を使わざるを得ませんでしたが、他には特に難しい語彙も構文も見当たらないのではないでしょうか?。自分の言いたい内容が伝われば、別に難しい語彙や構文は不要なのです。

だから、試験本番では自分が意味・用法を正しく理解しており、完全に自分のものとなっている表現のみを使うことにしましょう。用法のよく判らない難しい表現を背伸びして使おうとすると、逆に前置詞などを間違えてボロが出てしまいます。最悪の場合、意味が通じない文章になって減点されてしまうかもしれません。

また、TOEICや英検対策に役に立ったラジオ講座ですが、TOEFLライティングでも役に立ちます。たとえば、上のエッセイの中で用いている"The way I see it"・"the population explosion problem"・"I read an article that tells me"・"... is estimated to reach"・"lead to"・"be flooded with"などの表現は、すべて「やさしいビジネス英語」で覚えたものです。単語集で丸暗記して覚えた表現は頭では判っていてもなかなか実践では使えないものですが、ラジオ講座では文脈の中で表現を学ぶことが出来るので意味に加えて用法も頭に入り、他の文脈で即応用することが可能なのです。「やさしいビジネス英語」に出てくるような難度の高い表現を使った分、エッセイ全体が随分引き締まって見えるのではないでしょうか。このページの先頭に戻る

3、エッセイを仕上げるための技術的側面―コツさえ知っていれば習得は容易

2、文法的側面についてに戻る

掲載したエッセイは

1、イントロダクション 自分の意見と全体の流れの予告

2、実例@ 自分の意見を立証する実例

3、実例A 自分の意見を立証する実例

4、結論 まとめと自分の意見の繰り返し

という構成になっています。きわめて単純で標準的な構成ですが、これで十分高得点が取れるのです。でも、最低限のルールはきちんと守っています。「3、概要」のところで書いた条件と比べてみてください。きちんと最後だけでなくはじめに結論が来ていますし、各パラグラフにトピック・センテンスはありますし、それぞれの文・パラグラフは論理的な構成でつながっていることが判るでしょう。たった30分という限られた時間なので、何も高度なことは要求していないのです。技術的側面については、きわめて常識的・標準的なことを守ってさえいればよい、ということが言えるでしょう。

これらは一度コツをつかんでしまえば結構簡単に自分のものにできると思います。けれど、日本の高校までの英語教育ではあまり触れられないことなので、全く教わったことのない人もいるかもしれません。そういう方は、英文ライティングやパラグラフ・ライティングの入門書を買って、自分でも何枚か書いてお手本と比べてみるとよいでしょう。海外に留学しようとしたらペーパー・ライティングの技術は必須ですし、英検の二次試験などでも自分の意見を論理的に述べられなくてはならないので、マスターしておくことをお薦めします。

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5、まとめ

 以上がTOEFLのライティング・セクション対策でした。以前のペーパー版TOEFLでは、リーディング・リスニング・グラマーなどの受動的な英語力だけで高得点が取れましたが、コンピュータ版TOEFLで高得点のカギを握るのが、このライティング・セクションです。
 Organizationなどの技術的側面は比較的短時間でマスターできるテクニックかもしれませんが、ネタをストックしたり、ラジオ講座で実践的な表現を蓄積しておくのは一朝一夕でできるものではありません。ライティング・セクションで高得点を取るためにも、最後にものを言うのは普段からの地道な努力なのです。このページの先頭に戻る

TWEに関する質問集

No.2 同じく匿名希望様から上記の記事に関するご感想が届きました!。

早速ページを加えてくださいましてありがとうございます。答案は、あの内容を30分で書くにはやはりストックネタをほとんど自動的に書き写すくらいではなければ到底できないと思いました。英検1級のための準備が役立ったのですね。ストックネタは、分野ごとになにか使えそうな資料をまとめているんですか?。私はそういう事はしていないので、そのときの自分の記憶と知力とに頼りながら、後は時間との戦いですね。ストックのうまい方法があったら教えてください。

どうも、メールありがとうございます。ネタのストックの仕方についてですが、「4.対策」の項に新たに「ネタのストックの仕方」というセクションを作りました。「クローン人間」を例にとってネタのサンプルも用意したのでどうぞご覧下さい。

No.1 匿名希望様からライティング・セクションに関する質問を頂きました。

はじめまして。とてもすばらしい内容で一気に読ませていただきました。

 ところで教えていただきたいのは、ライティング・セクションの勉強方法です。Introduction ,Body ,Conclusionの要素で構成し、Body は一番重要、support でできるだけ例を入れて説得できるようにしなければならないというくらいの認識はあります。

 問題はBodyがどうしても2パラグラフになってしまうということ(3つが望ましいと聞いた)、IntroductionとConclusionが時にとても短くなってしまうということ (最低3sentencesにするようには努めますが)。これらは短い時間で構成するのに私の実力ではこの程度なのだと思います。はじめの5〜>10分で構成を考えてあとはひたすら書くのですが、時間との戦いでどうしても内容をはしょってしまい、チープになってしまいます。

 それから決まった構文しか使えず、知ってはいるけど使いなれない成句とか熟語、idiomなどは文法的にあってはいると思っても、どうもしっくり来ず、結局使いなれた幼稚な言葉を使うことになってしまいます。じっくり考えたり見直したりする時間がないので、自信のある言葉しか使えないという事もあります。

 Nakata様は文法力も単語力も構成力もしっかりとしたものがおありでしょうから6ポイントも取れるのだと思いますが、私のような場合はどうすればよいかアドバイスをいただけますか。

メールどうもありがとうございます。だいたい上に書いてあるライティング・セクション対策を読んで頂ければいいのではないでしょうか?。時間は30分しかないのでぐずぐずしてると本当にすぐ足りなくなってしまいます。「4、対策」のところに書いたように、普段からネタをストックしておいて、それをそっくりそのまま写すくらいでないとなかなか30分で満足のいく出来にはならないかもしれません。私の場合はそれがたまたま上手くいったのですが、トピックが違っていたら考えながら書くことになってもっと点数が低かったかもしれません。トピックが勝手に指定されてしまうので高得点を取るには運も必要ですね。

あと、熟語などについてですが、使い慣れないのを背伸びして使ってミスるよりは、確実に意味も用法も自分が把握しているものを使う方がいいいです。そういう熟語などの表現を増やしたいのであれば、「やさしいビジネス英語」などを聴いてみてはどうでしょう?。私も実際にあの番組の表現を使ったおかげで文全体が締まったような気がしますし、文脈の中で覚えたことばなら結構自信を持って使えるはずです。

ところで、Bodyが3パラグラフの方が望ましいというのはどこで得た情報ですか?。私が書いたエッセイはBody2パラグラフでしたので、3パラグラフでなくてはいけない、という事はないのではないでしょうか?。

2パラグラフでもいいんですか。安心しました。私が聞いたのは大学レベルのレポートだったら3Psはなくてはいけないらしいので、トフルにもそうすれば安心では?ということで、トフルについて聞いたわけではないのです。

なるほど。多分ボディは2パラグラフでも大丈夫です。どうぞ頑張ってくださいね!。それでは! 
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