言語教育研究特殊講義A

授業の目標

第二言語習得(Second Language Acquisition)に影響を与える様々な要因について学び、それらを外国語教育および学習に生かす方法について考察する。具体的には、年齢要因、バイリンガリズム、インプット、アウトプット、インターアクション、注意、気づき、明示的および暗示的学習、訂正フィードバック、個人差要因等、第二言語習得全般に関するトピックを扱う。

授業の内容

第二言語習得に関する文献講読や講義を通して、教室内第二言語習得研究について学ぶ。授業は受講生による発表およびディスカッションを中心に進める。

成績評価方法・基準

授業での発表(40%) 、クラスへの貢献度などの平常点(30%) 、最終レポート (30%)

教科書

著者:Brown, Steven and Jenifer Larson-Hall

書名:Second Language Acquisition Myths: Applying Second Language Research to Classroom Teaching

University of Michigan Press, 2012

最終レポート

以下の2つの内のいずれか1つを選んでください。

  1. 教科書で紹介されている先行研究から1つ選び、その詳細をまとめる。

例)P. 65 VanPatten & Cadierno (1993)、P. 68 Foster & Skehan (1999)、P. 73 Izumi (2002)

分量:日本語の場合は2000文字以上。英語の場合は1000 words以上。

*ファイルの最後に文字数または語数を明記すること。参考文献は文字数・語数に含めない。

図表や具体例などを用いて、わかりやすくなるように工夫してください。

  1. (a)授業で学習した内容を生かした外国語(英語または日本語)学習教材または活動を作成する。そして、(b) 作成した教材または活動がなぜ外国語学習に効果的だと思われるのか、授業で学習した内容をふまえて論じる。

例)P. 62 Input enhancement、P. 64 Processing instruction、P. 74 Dictogloss

分量:(a)に関しては自由。(b)に関しては日本語の場合は1000文字以上。英語の場合は500 words以上。

*ファイルの最後に(b)に関する文字数または語数を明記すること。参考文献は文字数・語数に含めない。

【規定】

執筆言語:日本語または英語

締め切り:7/29(水)17時

提出先:Google Driveの共有フォルダ

■課題において不正とみなされる行為

1)インターネットなどで入手した資料を原文のまま(あるいは一部を)著者を明示せずに書き写すこと。剽窃(ひょうせつ)。いわゆるコピペ。

2)別のクラスで提出した課題を再利用すること。

3)別の学生が書いたレポートをそのまま(あるいは一部変更して)利用すること。

→ いずれかの行為が発覚すると、その課題について無得点とする。

授業スケジュール

日付 内容 担当
4/30 イントロダクション
シンポジウム・ビデオ
5/7 Communicationとは?
While We´re On the Topic Chapter 1
BVP Chapterスライド
5/14 第二言語語彙習得
Nakata – 2020 – The Routledge Handbook of Vocabulary Studies
小宮
5/21 Myth 1.       Age effect in second language acquisition ドムブロフスカ
5/28 Myth 2.       Bilingualism 岡本
6/4 Myth 3.       Input, output, and interaction
6/11 Myth 4.       Attention and noticing バンデューゼン
6/18 Myth 5.       Explicit and implicit learning ベンビ
6/25 Myth 6.       Corrective feedback 下屋敷
7/2 Myth 7.       Individual differences 野口
7/9 Myth 8.       Social approaches to second language acquisition 網中
7/16 Summary

*各回の担当者はスライド(PowerPointなど)やハンドアウトを使い、担当箇所の概要を発表する。

Class 1

この授業では、第二言語習得 (second language acquisition、以下SLAと呼びます) 研究に基づいた効果的な外国語指導について理解を深めることを目的としています。

それでは、SLA研究から、効果的な外国語指導についてどのような示唆が得られるのでしょうか? 今日の初回授業では、その具体例を見ていきます。

具体的には、YouTubeに掲載されたビデオを各自で視聴してもらいます。皆さんに見て頂くビデオは、2017年にとある学会で行われたシンポジウムの内容を収録したものです。

全部で2時間と長いビデオですので、全て見てもらう必要はありません(もちろん、興味がある人は2時間全て見てもらっても良いのですが)。このビデオは、以下のような構成になっています。

  1. イントロダクション(新谷奈津子)
  2. 研究報告・示唆:語彙(中田達也)
  3. 研究報告・示唆:文法(鈴木祐一)
  4. 研究報告・示唆:発音(斉藤一弥)
  5. まとめ・問題提起(新谷奈津子)
  6. 討論(全員)

今回の授業では、はじめの1・2の部分のみを視聴してください。時間にすると33分くらいです。

では、以下のビデオをご覧ください。

https://youtu.be/hU0gK3wdVhM

宿題

次回の授業までに、以下のBlackboardのアンケートに答えてください。

https://bb.rikkyo.ac.jp/webapps/assessment/take/launchAssessment.jsp?course_id=_138257_1&content_id=_357637_1&mode=cpview

* あらかじめBlackboardにログインしてから、上のリンクをクリックしてください。