分散学習の効果を最大限に高める英単語学習ソフト:「なかたンゴ」

「なかたンゴ」は、長期的な記憶保持を促進することを目的に開発された英単語学習ソフトです。無料で使用できます。

2種類の「なかたンゴ」

既存の語彙リストを使って学習する場合は、「なかたンゴ」をご利用ください。

「なかたンゴ」

自分で入力したコンテンツを学習する場合は、「DIYなかたンゴ」をご利用ください。

「DIYなかたンゴ」

「なかたンゴ」・「DIYなかたンゴ」の詳細および使用方法については、以下をご覧ください。

「なかたンゴ」・「DIYなかたンゴ」マニュアル

「なかたンゴ」の特徴

「なかたンゴ」の最大の特徴は、分散効果を最大限に高めるためのアルゴリズムを採用していることです。分散効果とは、集中学習(同じ学習項目を、間隔を置かずに複数回繰り返すこと)よりも、分散学習(同じ学習項目を、間隔を置いて複数回繰り返すこと)の方が、より長期的な記憶保持に結びつくことを指します。

分散学習のアルゴリズムとして最も知られているのは、「拡張分散学習(expanding spacing)」と呼ばれるスケジュールです。拡張分散学習では、「1日後→1週間後→2週間後→4週間後」というように、回数を重ねるにつれて、復習の間隔が少しずつ大きくなります。

一般的には、拡張分散学習が最も効果的な復習スケジュールであると考えられています。市販の単語学習ソフトでも、拡張分散学習を売り文句にしているものが数多く見られます(例えば、iKnowAnkiWord Engineなど)。

しかしながら、近年の研究では、「拡張分散学習は短期的な記憶保持を促進する可能性はあるものの、長期的な記憶保持は促進しない」という結果が得られています(e.g., Kang et al., 2014; Karpicke & Bauernschmidt, 2011; Karpicke & Roediger, 2007; Nakata, 2015; Pyc & Rawson, 2007)。そこで、「なかたンゴ」では、拡張分散学習ではない独自のアルゴリズムを採用しています。

「なかたンゴ」のアルゴリズムは、開発者が今までに出版した以下の研究で使用されたものに基づいています。

Nakata, T. (in press). Does repeated practice make perfect? The effects of within-session repeated retrieval on second language vocabulary learning. Studies in Second Language Acquisition. doi:10.1017/S0272263116000280

Nakata, T., & Webb, S. A. (2016). Does studying vocabulary in smaller sets increase learning? The effects of part and whole learning on second language vocabulary acquisition. Studies in Second Language Acquisition, 38, 523-552. doi: 10.1017/S0272263115000236 [PDF]

Nakata, T. (2016). Effects of retrieval formats on second language vocabulary learning. International Review of Applied Linguistics in Language Teaching, 54, 257–289. doi:10.1515/iral-2015-0022

Nakata, T. (2015a). Effects of expanding and equal spacing on second language vocabulary learning: Does gradually increasing spacing increase vocabulary learning? Studies in Second Language Acquisition, 37, 677-711. doi: 10.1017/S0272263114000825

Nakata, T. (2015b). Effects of feedback timing on second language vocabulary learning: Does delaying feedback increase learning? Language Teaching Research, 19, 416-434. doi:10.1177/1362168814541721

Rogers, J., Webb, S. A., & Nakata, T. (2015). Do the cognacy characteristics of loanwords make them more easily learned than noncognates? Language Teaching Research. 19, 9-27. doi: 10.1177/1362168814541752

Nakata, T. (2011). Computer-assisted second language vocabulary learning in a paired-associate paradigm: A critical investigation of flashcard software. Computer Assisted Language Learning, 24, 17-38. doi:10.1080/09588221.2010.520675

豊富なコンテンツ

「なかたンゴ」では、現在以下のコンテンツを利用した学習が可能です。

NAWL (New Academic Word List)

NGSL (A New General Service List)

TSL (TOEIC Service List)

上のリストは、いずれもCharles Browne教授・Brent Culligan教授・Joseph Phillips教授によって作成されました(TSL収録語の和訳はStuart McLean氏が作成)。

NGSLは、英語を使用する上で最も重要な基本2,851単語が収録されています。基礎的な単語も含まれているため、初学者に適しています。
NAWLは、963語からなる学術英単語のリストです。アカデミックな単語が中心であるため、中級者~上級者に適しています。
TOEIC Service ListにはTOEIC頻出後1,242語が収録されています。NGSL収録語とTOEIC Service List収録語を合わせて学ぶことで、TOEIC教材およびTOEICテストの99%の語彙をカバーすることが示されています。
それぞれの語彙リストの詳細については、以下のwebページをご覧下さい。

Browne, C., Culligan, B. & Phillips, J. (2013). The New Academic Word List.

Browne, C., Culligan, B. & Phillips, J. (2013). The New General Service List.

Browne, C., Culligan, B. & Phillips, J. (2016). The TOEIC Service List.

その他

  • 本ソフトウェアを使用した事により生じるいかなる損害に関しても、開発者は責任を負いません。
  • 本ソフトウェアの利用状況に関するデータが、ソフトウェアの開発者等の第三者に送信されることはありません(すなわち、利用者が「どのような単語を学習しているか」、「正答率がどのくらいか」といったデータを、開発者は一切見ることができません)。
Please cite this software as follows:
Nakata, T. (2017). なかたンゴ [Computer Software]. Osaka, Japan: Kansai University. Available from http://howtoeigo.net/research/software/nakatango/